大阪骨粗鬆症・フレイル
専門クリニック

医療法人実來会 原田整形外科クリニック附属

当院のリハビリ設備・機器について





01
パワープレート
パワープレートを用いたリハビリについて
パワープレートは、オランダで宇宙飛行士の筋力維持のために開発されました。この振動マシンは、3次元方向の微細な振動を通して加速度トレーニングを行い、短時間で筋力増強、柔軟性向上、血流促進などを実現します。振動によって筋肉が無意識に反応するため、通常のトレーニングよりも効率的な運動効果が期待でき、運動が苦手な人やリハビリ目的の方にも適しています。
そのためパワープレートを用いたトレーニングは、骨粗鬆症やサルコペニア、フレイルといった高齢者特有の疾患に対して、安全かつ効果的な治療法として注目されています。このトレーニングは、加速度振動トレーニング(Acceleration Training™)という独自の技術を用い、短時間で全身の筋肉や骨に効率的な刺激を与えることができるのが特徴です。
まず、骨粗鬆症は骨密度の低下により骨が脆くなる疾患で、特に高齢者に多く見られます。骨粗鬆症患者は骨折のリスクが高く、日常生活における転倒が大きな問題となります。パワープレートの振動は、骨に対するメカニカルストレスを生じさせ、骨密度の維持や改善に寄与することが研究で示されています。実際、振動刺激によって骨を作る細胞である骨芽細胞が活性化し、骨形成が促進されるというメカニズムが明らかにされています。これにより、転倒による骨折リスクの軽減が期待でき、骨粗鬆症患者にとっては重要な治療オプションとなります。
次に、サルコペニアとは、加齢に伴う筋肉量の減少と筋力低下を指し、フレイルの一因ともなります。筋肉の減少は活動能力の低下や日常生活の質の低下を引き起こし、最終的には介護が必要となる可能性があります。パワープレートの振動トレーニングは、従来の運動よりも少ない負荷で筋肉を効率的に活性化できるため、体力に不安のある高齢者でも無理なく取り組むことが可能です。振動による微細な動きは、筋繊維を効果的に刺激し、筋力向上と筋肉量の維持を促進します。これにより、高齢者でも日常生活における運動能力が向上し、サルコペニアの進行を予防することが可能です。
さらに、フレイルとは、身体的な虚弱状態を指し、骨粗鬆症やサルコペニアに加え、全身の活力低下や生活機能の低下を含みます。フレイル状態になると、転倒や骨折、入院のリスクが高まり、結果として生活の質が著しく低下します。パワープレートを使用したトレーニングは、短時間で全身の筋力とバランス感覚を向上させる効果があり、フレイルの予防や改善に有効です。特に、バランス感覚の向上は転倒リスクの低減につながり、高齢者の安全な日常生活をサポートします。
以上より、パワープレートを用いたトレーニングは、骨粗鬆症、サルコペニア、フレイルのリスクが高い高齢者に対して、安全で効果的な治療法の一つとなります。このトレーニングは、従来の運動療法に比べて身体への負担が少ないため、体力に自信のない方や、従来の運動では効果が得られにくかった方にも適しています。また、科学的根拠に基づく効果が確認されているため、安心して取り組むことができる治療法と言えるでしょう。
02
ピラティス
リハビリのためのシニアピラティス
ピラティスは、第一次世界大戦中にジョセフ・ピラティスによって開発されたエクササイズメソッドです。彼は負傷兵のリハビリテーションを支援するために、寝たきりの患者でも実施可能な運動を考案しました。ピラティスは、身体のコア(体幹)を中心に、筋力、柔軟性、バランスを改善することを目的としており、関節や筋肉に無理のない動作で全身を鍛えます。
リハビリにおいてピラティスを用いる意義は、怪我や病気、手術後の患者が身体機能を徐々に回復できる点にあります。特に、体幹の安定性を強化することで、姿勢の改善や筋力の均衡が図られ、再発防止にもつながります。また、個々の状態に合わせた調整が可能なため、高齢者や運動が苦手な人にも安全に実施でき、リハビリ全般において幅広く応用されています。
そのため、ピラティスを用いたトレーニングは、骨粗鬆症やサルコペニア、フレイルといった高齢者特有の健康問題に対しても、安全で効果的な治療法として広く認識されています。体幹を中心に柔軟性や筋力を高め、全身のバランスを改善するエクササイズであり、高齢者の運動機能を向上させるのに適した方法です。
高齢者で問題となることが多い骨粗鬆症患者は、転倒による骨折のリスクが高く、そのため、骨の強化やバランスの改善が重要です。ピラティスでは、無理のない範囲で筋肉を強化し、弾力性を向上させることで、骨にかかる負荷を適切に分散させることができ、また、骨に対する適度な刺激を与えることで、骨密度の維持や改善に貢献する可能性があります。ピラティスの動きは、関節に負担をかけずに筋肉を使うことができるため、骨粗鬆症患者だけでなく、様々な状態にある高齢者や患者にとって安全な運動となります。
また、加齢や病気による筋肉量の減少と筋力の低下を指すサルコペニアですが、歩行を始めとする活動能力の低下やバランスや姿勢の保持が難しくなることから転倒のリスクを高める要因となります。ピラティスは、全身の筋肉をバランスよく鍛えることができるため、特に体幹を中心とした筋力強化に効果的であり、体幹が強化されることで、姿勢が改善され、日常生活における安定感が向上します。また、ピラティスのエクササイズは、効果的な呼吸により得られる生理的な利点を利用することを重視しており、呼吸と連動して体幹の安定性を高め、筋肉の酸素供給が促進され、効率的に筋肉を活性化させ筋力が向上します。これにより、サルコペニアの予防や進行を遅らせる効果が期待されます。
同様に、身体的な虚弱状態を指す言葉であるフレイルの状態においては、全身の衰えを伴っているため、骨粗鬆症やサルコペニアをさらに加速させ、転倒や骨折、入院のリスクを高め、生活や人生の質を大きく低下させる要因となります。ピラティスは、無理のないレベルの運動から開始することができるため、フレイル状態にある体力や筋力の落ちている方でも、体幹の安定性を高め、身体全体のバランスを鍛えることが可能です。
このように、ピラティスの最大の利点は、その適応性にあります。各エクササイズは個々の体力や柔軟性に応じて調整できるため、高齢者の身体状況に合わせたプログラムを提供することが可能です。ピラティスはマットや専用のリフォーマーと呼ばれる器具を使って行うことができ、個々のレベルやニーズに合わせたトレーニングを提供することが可能です。これにより、体力に自信のない高齢者でも安心して取り組むことができ、筋力やバランスを向上させることができます。
ピラティスを用いたトレーニングは、骨粗鬆症やサルコペニア、フレイルといった高齢者の健康課題に対して、安全かつ効果的な治療法です。私たちは、ピラティスを実臨床に積極的に利用、応用することで、関節や骨に負担をかけることなく、柔軟性、筋力、バランスを向上させることで、健康で自立した生活を支援したいと考えています。高齢者にとって、無理なく継続できるピラティスは、身体機能の維持・向上において理想的な選択肢の一つであると考えています。





03
重心動揺計
重心動揺計のリハビリにおける重要性
サルコペニアやフレイルのリハビリにおいて、姿勢やバランス能力は非常に重要です。これらの状態では、筋肉量や筋力が低下し、日常生活での動作や歩行が不安定になることがあります。姿勢やバランスが崩れると転倒のリスクが高まり、転倒による骨折や怪我がさらなる筋力低下を引き起こす悪循環に陥る可能性があります。そのため、リハビリテーションでは、単に筋肉を鍛えるだけでなく、姿勢とバランスの強化が重要です。安定した姿勢を保つことで、体のさまざまな部位にかかる負荷が分散され、身体全体の安定性が向上します。
ここで役立つのが、アニマ社の重心動揺計です。この機器は、立位での重心の動きや揺れを数値化して測定することができ、バランス能力の評価や変化を正確に把握するために用いられます。重心動揺計を使うことで、患者がどの程度バランスを取れているか、またどの方向に重心が動きやすいのかといった細かなデータが得られます。このデータは、リハビリプログラムを作成する上で非常に有用です。例えば、左右や前後の揺れが大きい場合は、体幹や下肢の特定の筋肉を重点的に鍛えるトレーニングが必要だと判断できます。
また、重心動揺計を使った定期的な評価により、リハビリの進捗を客観的に把握することができます。リハビリを続けるうちにバランスの改善が数値として現れるため、患者自身が努力の成果を実感しやすくなり、モチベーションの向上にもつながります。さらに、重心動揺計の測定結果は、患者の個々のバランス特性に基づいたリハビリプランの調整にも役立ちます。個別化されたアプローチにより、より効率的で効果的なリハビリが可能になります。
リハビリテーションにおける姿勢やバランスの強化は、単に筋力を増強するだけでなく、患者の自立を促し、生活の質を向上させるために不可欠な要素です。アニマ社の重心動揺計を活用することで、サルコペニアやフレイルのリハビリにおける姿勢とバランスの評価と改善が、より科学的かつ効率的に行えるようになります。
04
JMS舌圧測定器
オーラルフレイルとリハビリにおける舌圧測定の意義
オーラルフレイルとは、加齢に伴う口腔機能の低下を指し、噛む力や飲み込む力、舌や口唇の動きが弱くなることで、食べ物をうまく噛めなかったり、飲み込みにくくなったりします。この状態が進行すると、食事が困難になり、栄養不足や体力の低下を招くリスクが高まります。また、オーラルフレイルは放置すると、全身のフレイル(虚弱)やサルコペニアの一因となり、日常生活の質にも悪影響を与える可能性があります。早期の予防と改善が大切であり、適切なリハビリが効果的です。
リハビリの一環として舌圧測定が有用です。舌圧は、食物を押しつぶしたり、飲み込む際に必要な圧力を示し、舌の筋力を評価する指標です。当院ではJMS社の舌圧測定器を採用しており、この機器を用いて舌圧を測定することで、患者ごとの舌圧の変化を数値で把握でき、現在の摂食嚥下の機能とリハビリの進捗を客観的に評価できます。これにより、効果的なリハビリプランの策定や調整が可能となり、患者のモチベーションも向上します。
舌圧が低下した場合、舌の筋力トレーニングや発音練習などのリハビリが推奨されます。例えば、舌を口の上部に押し付けたり、唇の運動を行うことで、舌や口周りの筋肉を強化でき、食べる力や飲み込む力の回復を促すことができます。舌圧測定による定期的な評価と適切なトレーニングを組み合わせることで、オーラルフレイルの予防と改善を図り、健康で快適な生活を維持することが期待できると考え、当院ではオーラルフレイルに対するリハビリを積極的に行なっていきます。



